ニュース: Aptiv、Wind River を買収

Aptiv は、最近のプレスリリース で、ソフトウェア企業 WindRiver の買収について最終合意に至ったことを発表しました。これにより、クラウドネイティブなインテリジェント エッジ ソフトウェアの重要な専門知識を獲得することになります。この買収は 2022 年半ばに完了する見込みで、市場では前向きに受け止められています。

Reuters は、各自動車メーカーがソフトウェア開発への投資を増やし、全世界で数十億ドルに達する市場への参入を目指しているため、このタイミングでの買収は Aptiv にとって有益であると指摘しています。Reuters の The Auto File デイリー ニュースレターは、次のように伝えています。「自動車分野が成長する可能性は、主として高度なソフトウェアが握っています。Aptiv は、同社のスマートビークルアーキテクチャーをサイバー セキュリティやエッジ コンピューティングに関する Wind River の専門知識と組み合わせることで、自律的に動作する自動車を短期間で実現する手段を自動車メーカーに売り込みやすくなります」。

Automotive News は、車載ソフトウェア市場での Aptiv の事業展開拡大の一環であるこの取引を「自動車メーカー、サプライヤー、テクノロジー企業が数十億ドルを費やして、新しい車両ソフトウェア機能を開発している中で、業界が期待している無線更新 (over-the-air updates) を実現すると、魅力的な機能を消費者に提供できるようになり、サービス提供による収益の拡大につながる」と評価しています。

自動車関連メディア企業の FutureCar は、「Aptiv は、Wind River を買収したことで、今後 10 年にわたって急成長すると期待される車載ソフトウェア市場のキープレイヤーとなる」と結論付けています。

Forbes は、Wind River が Aptiv の自動車関連製品ポートフォリオにもたらす特別な価値と、エッジ コンピューティング分野での Aptiv の優位性について、次のように述べています。「エッジ コンピューティングでは、離れた場所にあるデータセンターとの間でデータをやり取りする必要がなくなるため、データ処理における時間のずれを減らすことができます。生成したデータや受信したデータに即座に反応する必要がある自律自動車などの用途では、数ミリ秒の削減が特に重要になります」。

Aptiv の社長兼 CEO であるケビン・クラークは、自動車産業内でソフトウェア定義の車両へと重点がシフトしていることが、今回の買収の重要な要因であることを認めています 。「Aptiv と Wind River の相乗的なテクノロジーと、安全が重視されるシステムを提供してきた数十年の経験を活かして、自動車業界のソフトウェア定義の未来に向けた取り組みを加速させていきます。また、複数の業界での Wind River の競争力をさらに強化するべく取り組んでいます。世界水準の Wind River チームが、より安全で、より環境に優しく、より接続された世界の実現を目指す Aptiv の一員に加わることを大変楽しみにしています」。